布生地を華やかに彩る色や模様を作り出す方法に、先染めと後染めがあります。染色のタイミングで分かれる先染めと後染めにはどのような違いがあるのか?両者の特徴をみてみましょう。
先染めの特徴
先染めは名前のとおり、布を織る前に糸や繊維を先に染色すること。チェックやストライプなどの色柄ものなどは、あらかじめ先染めで糸を染色。色を組み合わせてさまざまな柄に織られて作られています。
先染めのメリットとデメリット
糸の段階で染めている。先染めで織られた布のメリットとデメリットがこちらになります。
<先染めのメリット>
- 糸自体がしっかり染色されているので深みがある色合い。
- 色落ちしにくい。
<先染めのデメリット>
- 染めるのに時間がかかり高コスト。
- 糸を染めているので、人気のあるカラーや流行に素早く対応できない。
先染めは、先に色や柄を決めて織るため、すぐに流行りの色へ変えるなどの対応が難しい。反面、色落ちしにくい特徴があり奥深い色合いを長く楽しむことができます。
後染めの特徴
布を織ってから染色をする後染め。単色やプリントものなどは、ほとんど後染めで作られています。稀に後染めでもプリントすることでチェックやストライプといった柄を作ることもあります。
後染めのメリットとデメリット
後から染色をほどこし布を変身させる、後染めのメリットとデメリットをみていきましょう。
<後染めのメリット>
- まとめて大量に染められるので、低コストで時間がかからない。
- 色やプリントのデザインが変えやすいので、流行の色や柄で染められる。
<後染めのデメリット>
- 色彩に深みが出づらい。
- 多色で染めると他の糸に色移りをすることがある。
多くの色彩が簡単に楽しめる後染めには、浸染(しんぜん)と、捺染(なっせん)といった染色技術がよく使われています。
後染めの染色技法 浸染(しんぜん)と捺染(なっせん)
さまざまな染色技術でも、後染めでよく使われている技術「浸染」と「捺染」をご紹介します。
単色に染めるのに適してる浸染(しんぜん)
浸染は、染めたい布を染料を溶かした液体の中に浸して後染めする技法。均一に染めることができ、色も安定しやすく色落ちしにくい特徴をもっています。
シンプルな染色技法ですが、色を引き立たせる後染めの技法で、伝統的な草木染めなども、昔から浸染で行われていました。
色柄ものを表現できる捺染(なっせん)
染料と繊維に密着する糊(ノリ)と混ぜて作られた染色液を使い、布に直接プリントをする技法を捺染といいます。デザインに彫られた型紙を布にはり合わせて染めていくので、繰り返し型紙を使って同じプリントの染物の量産が可能。色鮮やかな手ぬぐいなどは、捺染で作られることもあります。
色鮮やかなロルカの後染めリネン
先染めも後染めもそれぞれの魅力があります。先染めの1本1本の糸が紡ぐ深い色合いも素敵ですが、後染めには独特の色彩には変化する楽しさがあります。
毎日が優しく過ごせるアイテムをお届けしている、ロルカオンラインショップ。その中でも人気のあるのがアイリッシュリネンの製品染シリーズ。鮮やかなのにナチュラルな色が心を弾まさせてくれます。着るのが楽しくなる天然素材の肌触りをぜひ体感してください。